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シネコン現パロ。「これが恋だと気が付いてはいけない」芽生えた心に蓋をした水木。ゲゲ郎の音に恋し支えたいと思う片恋物語。ウィーン音楽大学を舞台にした二人の恋の行方は?鬼太郎もたくさん出ます。※表紙には特殊加工が入ります。
商品紹介
(2024年10月・11月新刊小説キャンペーン / サークル様PR)
本文抜粋
水木はたくさんの初めてに喜びを貰ってきた。
そしてゲゲ郎の音を聞くと、心が浮き立ち、感動し、喜びに溢れて、そうして音楽について考える。
ゲゲ郎は脳内でいつも妻の伴奏が聞こえているそうだ。
彼の音を支えているのは亡き妻だ。
奏でた音を聞かせるのは最愛の息子で、鬼太郎の反応でゲゲ郎は喜びを感じている。
正直羨ましく妬ましい。
技術も高く、抜きん出ているだけでなくソロとしても活躍している。
いつも最愛の妻が心に住んでいて、愛する息子もいる。
ゲゲ郎とセッションをしていると全て忘れて夢中になれるが、一人になると急にこのままで良いのか悩んでしまう。
ゲゲ郎と音を合わせるのが楽し過ぎるから終わった後で夢から覚めたような心地になる。
何かが溢れだしそうなそんな焦りのような重い感情が浮かんでもくる。
自分でコントロール出来ない、名前の付かない感情に振り回されて辛くなる。
音楽が、チェロが好きなのに、全部分からなくなり、足元が底なし沼のように感じてしまう。
怖くて、寒くて苦しい。
気が付かないふりをした水木の心が溢れだし物語は動き出す。