吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でシコシコ泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めてオタクというものを見た。しかもあとで聞くとそれは同人作家という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
この同人作家というのは時々我々を捕えてモフるという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと吸われたられた時何だかゾワゾワした感じがあったばかりである。
掌の上で少し落ちついて同人作家の顔を見たのがいわゆる変態というものの見始めであろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一陰毛をもって装飾されべきはずの性器がベタ塗りされてまるで不潔だ。
その後オタクにもだいぶ逢ったがこんな異常者の集まりには一度もでくわした事がない。のみならず身体の真中があまりに突起している。そうしてその部分を時々ぺたぺたと塗る。どうも悲しそうで実に弱った。
これが人間のする性器修正というものである事はようやくこの頃知った。
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